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青い大学ノートに手書きで「交換ノート」と書かれている。
2024年05月03日 (Fri)
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2012年08月22日 (Wed)
awase.PNG







結婚旅行に行きましょう!!

Σはわっ!?


『ニューカレド…なんとかです!』

『Σはわわっ!』

『リフー島です!!』

『る、琉璃さんっ!』

『ノートルダム・ド・ルルd…(噛んだ)』

『Σ』

『……教会です。』

『あ、あの、琉璃さん‥‥。』

『はい?』


『はずかしいです‥‥。』

『……?』


有機栽培のトマトもびっくりするほど真っ赤になったクロウリアは両手で顔を隠す。
我を忘れて意気揚々と結婚と豪語してたのは……


彼女の教室のド真ん中だった。



―――。





『こうやってどこかへいくのは、修学旅行以来だね。』

『はい♪あの時はうずしおがぐるぐ‥‥る‥‥』

『Σはわわわわ!』

思い出すだけで目を回し始めたクロウリアを慌てて介抱する琉璃。
これから離陸するのに大丈夫かしらとちょっと心配そうにしている。
ぶんぶんと顔を縦に振って大丈夫ですとまくし立てるクロウリア。
アナウンスが流れてベルトを締める。

『……あーでも、ボク飛行機飛ぶときだけは苦手なんですよね。』

『はわ、そうなんですか?高いところがにがてですか?』

『いやーなんというか……。』

滑走路にたった飛行機が高速で直進する。
機体が上に傾いて上昇していく。

『……う……く………く……っ』

『Σる、琉璃さ!?‥‥。』

苦しそうな声を上げる琉璃に今度はクロウリアが心配そうな声を上げたが
すぐにその表情が凍りつく。そこには按摩器に背中やら腰やらをマッサージされてる最中の表情をした琉璃がいた。

『……ほらこの圧力がこう、体に……えーと、なんだろ。』

『‥‥‥そ、そうですね、ドンマイです!』

『ええっここドンマイなの!?』

肩透かしを食らったような気分でシスターは謎の性癖に目覚めている男から視線を外して外の景色を見た。
自分たちが住んでいたところが少しずつ少しずつ離れ、小さくなっていく。
まるで見送りに着てくれた母に見せるような微笑を日本に向け、遠い島へと旅立っていった。


―――。



『……ついたね。』

『つきました♪』

『長かったねぇ……。』

『長かったですっ!』

『重いねえ……。』

『Σ持ちすぎです!?』


飛行機から引っ張り出してきたのは人がそっくり2人分入れそうな旅行かばんを二つ。
キャリーケースを二つだ。魔王を倒す旅でもここまで必要になることはありえない。
キャリーケースひとつのクロウリアはヨシと両手を少し唸らせると、琉璃が持ってきた荷物をすべて縦に重ねて片手で持ち上げる。

『それではいきましょうっ♪』

『……頼りあるなあ。』

あまり見せない怪力スキルを披露しながらゲートをくぐる。
しかし縦に積み重ねたケースがゲートに引っかかり、いくつか琉璃に降りかかるが命がけで死守した。
空港を出た二人に待っていたのは広大な二つの蒼の世界だった。
海が透き通り太陽に照らされた砂の海底が見える。
見渡せば海、森、砂浜、まるでオマケのように存在する町が点在していた。

『……すごい………。わ、あっつい……』

『すごいです!すごいきれいです!!』

興奮するクロウリアを止めるわけもなく、日差しが強い石畳を歩いていく。
しかし汗をかくほどの暑さでもない。やわりと伝わる日差しに目を細め、二人で笑顔を合わせる。
地図を見ながらたどり着いたホテルはやや小奇麗で、奇抜な飾りつけもなく、どことなく落ち着くところだった。

『welcome』

『I'd like to check in. My name is Rury』

『Mr.Rury. Yes, we have your reservation.』

『Can I use the room now?』

『Yes.Your room in on third floor.』


ホテルマンと会話している琉璃を見てクロウリアは少し見とれているようだった。
琉璃が気がついて視線を向けると、はっとなってしどろもどろに話す。

『琉璃さんって、英語でおはなしもできるんですねっ』

『あ、うん。昔病院で長いこと入院してたことがあったんだけど、
 その時のお医者さんが外国の人で、その時教えてもらったの。』


『はわわ、けがもなおって、英語もおぼえられて一石二鳥、ですねっ!
 ……Σって入院ですか!』


『うん、ちょっと怪我してね。』

あまり聞いてほしくなさそう。
そんな雰囲気を感じ取ったクロウリアは、それ以上聞かないことにした。
その代わり、そっと琉璃の手を握って元気そうな笑顔を見せた。
つられる様にふっと笑った琉璃は彼女の手を引いて階段を上がっていった。


―――今日のオチ。



『わあ、きれいなお部屋で‥』

『Doublebed(どや顔)』

『だぼーーー!?』


『クロウリアさんらしくない発音が聞こえた。』

『るるるる。琉璃ささんっ!わ、わたしツインだとばっかり‥‥!』

『さあっ遊んでばっかりもいられないよ。予定は明日ですから(にこぱ)』

『琉璃さんーっ!?』



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